できあがった美をこわさない

Avenue des Champs-Élysées(至福の園)
華の都Parisは、世界で1番訪れる人の多い、美の殿堂。
街並みの色彩、建物の高さ、形、道路の配置、など、全体が美で統一されています。
パリ市内は、「フュゾー規制」というのがありまして、
ある地点からの視界に、美を損ねるものを建ててはいけない、ことになっています。
公共の美観を学びましょう。
公共の場は、大人のルールで動いています。それは子供でも知っています。
「自分の姿・立ち居振る舞いも公共美の一部である」ことを常に意識して。
見ているのは他人です。人々の目の方が多いのです。
美意識の高さで、教養の高さや、社会階層までもがわかってしまいます。
Etiquetteは、フランス王朝宮廷人の教養を証示する札から生まれました。
太陽王ルイ14世時代のヴェルサイユ宮殿で発行された通行札Ticketは、
相応しい「宮廷の作法」を身につけている高位の貴族に発行されたそうです。
T.P.O に応じた服装を心がけましょう。
自分が楽であることよりも、全体的にそれが美しくその場に相応しいかどうか?
で決めてください。特に、洗練された場所ではきちんとしましょう。
Exteriorにも気を配ります。
庭の手入れ、家の外観、 洗濯物は人目にふれないように。
人の目に美しく。
日本人がとらえている以上に、美意識が高い地域がたくさんあります。
街並みの美を統一するために、たとえ自分の持ち物であっても、
ビルディングの外観を変えてはいけないのです。
ヴェルサイユ宮殿の近くの住宅街で、自分の家を好きな形に建てた人に対して、
住民が訴えを起こした裁判があったそうです。全体の美のバランスの配慮ですね。
勝訴したのは、もちろん変えてはいけない側でした。
美とはそれだけ厳しいものなのです。
日本は、そもそも和の文化で美しく統一されていました。
それが、西洋文化が入ってきたために、和洋折衷になってしまいました。
瓦葺の屋根の街並みに、洋服を着て歩いている。
畳の部屋で、洋食器を使う。
電信柱、看板の乱立などにもよって、「本当の美」を、体験するのが難しい現状です。
本当の美を、今一度、省みましょう。
ご自身だけはなく、俯瞰して、美をとらえてください。
外国に訪問するきは、その国、その土地の、
「できあがった美」を壊さない、のが礼儀です。
「できあがった美」を壊さない。
この素晴らしいことを教えてくださったのは、Grammy
グラミー賞に参加しましたときにエスコートしてくださった男性でした。
音楽界の大スター、ロックスターが正装で集合するオーディトリアムへ、
いよいよ行く前に、私たちを集めて彼は、言いました。
「グラミー賞はアメリカが誇る文化です。
みなさまがその文化に花を添えることはできないかもしれません。
が、せめて、できあがった美を壊さないようにしましょう。」
私は、彼の言葉に長年深い感謝をしています。
美を壊さない、これをいつも肝に命じています。
美を創り上げるのに、
どれほどの長い時と、愛と、人々の手がかかっているかを、
いつも心に留めましょう。
できあがった美に華を添えられたら素晴らしいですが、せめて、
できあがった美に溶け込む配慮をしましょう。
不思議なもので、外国に滞在する際に、敬意を払いおしゃれをしている人、
礼節ある振る舞いをしている人は、良い扱いになる、良い席へ通される
なぜか良いお部屋になる、素敵な人と出逢えるのです。
(ブログ『2つの王冠』をご参照くださいませ。)
God sees everything.
#Paris #フランス #ChampsÉlysées #シャンゼリゼ #美意識 #Grammy #グラミー賞 #AVECGRACE #杉崎王香